在りし日の小次郎
勤務弁護士時代に訴訟を出す相手方の1人が外国に居たので、送達に関して裁判所に確認しつつ進めたことがあった。
かなり前の話だが、領事館を通じて訴状を送達するということであり、相手の領事館で確認をする必要があることから、送達のための裁判所の書類や訴状全てについて、相手の国の言語に翻訳する必要があった。
今では翻訳する会社もたくさんあるので費用さえ出せば簡単であろうが(費用はかなり嵩むと考えられるが)、当時はそのような便利な依頼先もほとんどなく、何かのツテでその国の留学生を探して、費用を出して翻訳してもらった記憶である。費用も安く済んだ。
送達にも時間がかかり、確か数ヶ月単位であったと記憶している。
先日他の弁護士がSNSで質問していたので、上記の話を思い出したのであるが、領事館がある国であればともかく、国交のない国に行かれた場合には(そのような場合にそもそもどこに居るか分かるのかという問題はあるが)、送達不可能ではないかとふと最近思ったのである(実際はどうかわからないが)。
また、英語圏であればよいのだが、珍しい言語だと、翻訳してくれる会社でも中々見つからないのではないかなどと思ったのである。
相続事件などで、相手方相続人がたまに外国籍の方と婚姻されるなどして、外国におられることはあるのだが、日本での住所地を届け出てもらえるか、そのような相手方に代理人が就くとかなりありがたいのである。
コロナの関係で、外国に行かれた方の帰国や出国もままならないのではなかろうかとも思っているところである。
以上です。