在りし日の小次郎
中央公論新社。鈴木真太郎。
マヤ文明というと、その実態が解明されていないことから、ロマンをかき立てられる。
最新の研究に基づいて、古代マヤ文明について整理された入門書である。
言語も解明されてきつつあり、何があったかある程度整理されてきているということであり、過去には、古代マヤ文明では戦争などはなくユートピアであったなどということも言われたが、国がある以上勢力争いで戦争も当然あったことがわかってきている。
古代マヤ文明の各国家の栄枯盛衰をある程度知ることができる。
古代の遺物だけではなく、マヤ人の骨を研究することで、人の交流がどの程度あったか(どこの生まれかも分かるということで驚きであった。とてつもない地道で時間のかかる作業である)、そのマヤ人が生前どういう人物であったと推定されるか(骨の発達具合で戦士だったのではないか等)など、研究者という方々の地道な努力により、相当程度マヤ文明のありようが分かってきたことを知ることができた。
それでも、文中にわからないとか不明である等がたくさんあり、まだまだ謎の文明であることは変わりがないようである。