在りし日の小次郎
文藝春秋。スティーブン・キング、オーウェン・キング。上下2冊。
2段組で上下巻で900頁ほどあるので、読み終わるまで時間がかかった。
原典は2017年なので、新型コロナウイルスの感染が拡大する前に発刊されている。
パンデミックの恐ろしさを描いた作品である(パンデミックだけでなく、超自然的な存在も登場するので、純粋なパンデミック作品ではないが。)。
日本での発売は昨年10月29日なので、一見するとこの新型コロナウイルスを踏まえて書かれたのかと思いきや、原典は2017年なので、先見の明があったということだろうか。
突然女性たちが眠りに落ちると繭に包まれる。その繭を破くと、女性は凶暴な殺人者となり、周囲の者に襲いかかる。
そのような中、普通に寝て、起きる一人の女性が刑務所に入ってくる。
彼女を検査すれば、眠っている女性たちを救うワクチンが手に入るのではないのか?
繭に包まれた女性を火に掛ける狂った男性達。
女性たちを救うために普通に寝て、起きている女性の引渡を求め、引渡を拒む刑務所側との緊張が高まる。
全体的な感想としては、900頁もの作品にする必要はなかったように思われることである。
テーマとしては面白かったが、冗長になってしまった。
あとは、ネタバレとなるので書くことができないが、私の感想としては、人生で絶対に読むべき本とまではいえないというものである。
これを読んでいたために、3月までの読書は遅々として進まなかった(出張が減って、本を読む時間が減っているせいもあるが。)。