在りし日の小次郎
26年までに約束手形が廃止される方針であるという報道に接した。
約束手形は弁護士でも事件として関与したことがない人もいるであろう。
司法試験受験の時に、手形法を勉強したものだが、あれから30年近くが経っている。
私自身は勤務弁護士時代に勤務事務所の顧問先の関係で約束手形については相当な事件数をこなしたが、独立後は全くといっていいほど手形事件は扱わなくなった。
システム金融相手に、小切手を回収する交渉はかなりやったが、システム金融も最近はほとんど事件はないであろう。
破産管財事件で、手形で支払をされている売掛先があり、これを銀行に取立てに回したくらいで、これは割合多数回やっているが、事件というほどのものでもない。
先日、あるベテラン弁護士が若い頃約束手形を取立てに回すのを忘れていたという失敗談をされていたことも思い出した(その事件がどうなったのかは、当該弁護士も怖くてボスに聞くことができなかったそうである。ボスからは叱られなかったそうだ)。
約束手形が廃止されれば、取立てに回すのを忘れていたということもないであろう。
時の流れで法制度も変わっていく。
弁護士登録をした平成8年とは、様々なものが変わったことを実感する出来事の一つであった。