文書データファイルの管理

中隆志

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 文書のデータの管理は弁護士にとって課題の一つである。
 弁護士に成り立てのところに使っていたPCはハードディスクが320メガバイトしかなく、文書を保存するためのハードディスクの空きがほぼない状態であったため(外付けのハードディスクなどもまだなかった時代)、事件毎にフロッピーで管理していた。
 この方法だと、大量のフロッピーから事件毎にファイルを探し出さなければならず、本当に不便であった。

 2代目のPCでは、ハードディスクの容量が少し大きくなったので(記憶では1ギガバイト。これでも当時は画期的だと感じた)、PCに保存するようになった。
 この頃も事件毎にフォルダを作り、ファイルを保存していた。当時は日本語でファイル名がつけられず、これまた本当に不便であったのと、事件毎にファイルを整理すると、フォルダが山ほどできて困るのであった。

 その後、野口悠紀雄氏の超・整理法を読み、時間軸で保存するようになった。
 基本的には1ヶ月ごとにフォルダを作り、その月に作ったデータはそこに入れておくのである。
 3代目のPCを購入する頃(独立間近で、弁護士5年目くらい)には、PCの能力も向上し、検索をかけることで必要なファイルは直ぐに探すことができるようになった。理論的には。
 検索するためには、保存するデータについて、基本的な取決めを自分の中でしておかないと、検索に引っかからず、データが行方不明となってしまう。
 そのため、依頼者名×相手方名と、文書の名前、保存する日時を入れることにした。
 「甲×乙準備書面29/1/25」というようなファイル名である。

 これにより、進行中の事件ではデータが行方不明となることはなくなったのだが、過去の事件のデータを基に今の事件の書面を書くときには、その過去の事件の依頼者名が思い出せず、事務局に「ほら、あの人のあの事件なんやったかな。これこれこういう事件やねんけど。」と聞き、事務局は、私のこの適当な質問から、「Bさんの事件ですか」と的確に指摘してくれ、無事データを探すことができるのである。最期はアナログが残ってしまうので、その点はどうにかならないものかと思っている。

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