死亡事案における被害者参加

中隆志

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 交通事故などの死亡事案で、これまで被害者参加を相応に経験しているが、検察官は過失事案であったとしても、人1人の命が奪われているという重みを感じられ、相当注意を払って対応してくれる。

 多くの裁判官もやはり同様で、人の命が奪われた事に対して、被告人に対しては被告人質問の中で被害者への対応の甘さや今後のことなど、相当に力を入れて裁判官から質問をしてくれることが多い。時には叱りつけていることもある。
 その前提で、被害者参加代理人として私からも被告人には反省のなさや謝罪の不十分さなど、相当質問するのであるが、裁判官からの質問の重みというのはやはりあると思うし、ご遺族からしても、裁判官からそのような言葉を聞くことができると、気持ちが癒えることはないとはいえ、そのことの重みは感じておられるように見受けられる。

 ただ、中には参加代理人として私の質問が終わっても何も聞かない裁判官もおられることもあり、遺族としては裁判官は人1人の命をどう考えているのだろうかと疑問に思われてしまうこともある。
 検察官・参加代理人の質問で十分だと考えておられるのかもしれないが、裁判官の内心はご遺族には分からないから、やはり参加代理人弁護士としては、ご遺族のためにも、裁判官からも様々な補充質問をして欲しいと思うこともある。
 そうした裁判官にとっては多数の事件の中の一つの事件かもしれないが、ご遺族にとっては本当に大切な家族が失われているのであるから、それなりの対応をしてもらないものかと思うのである。

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