在りし日の小次郎
角川ソフィア文庫。羅貫中。
三国志演義の数少ない和訳の2巻目である。
いよいよ諸葛亮孔明の登場である。
赤壁の戦いが始まる。
正史では、諸葛亮孔明の活躍は書かれておらず、また、赤壁の戦いも火計により曹操が敗北したという記載はなく、あっさりとしか書かれていない。正史の記載を総合すると、劉備は諸葛亮を呉に派遣し孫権と同盟を結び、赤壁において両軍が曹操を打ち破った、曹操軍には疫病が流行し、曹操は軍船を焼いて北に逃走した、というところくらいである。
中国は広大であり、北の兵士が南に遠征したことで、水も変わったであろうし、未知のウィルスにやられたのかもしれない。
インカ帝国がわずかな手勢のスペイン兵に滅ぼされたのも、スペイン兵が疫病を持ち込んだことが大いに関係していることからすると、曹操軍は疫病でかなりやられていたのかもしれない。軍船を焼いたのも曹操軍が自ら焼いており、的に軍需物資を渡すことを避けたとみることもできる。
正史ではどうあれ、小説とはいえ、孔明の活躍は読んでいて胸がすっとするのである。