傘の寿命

中隆志

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 いつ雨が降ってもいいように、鞄に折りたたみ傘を常に入れている。
 若い頃、事務所の仕事で全国の裁判所を飛び回っていたことがあるので(北海道の旭川、釧路、青森の五所川原や、南は鹿児島まで。)、出張先で天気が全く違うというようなことはザラにあり、いちいち調べるのが面倒なこともあるし、天気予報もはずれることもあるから、鞄に傘を入れていた。
 長い傘はあまり使わないので、勤務弁護士時代に購入したそれなりのいい傘(なぜボスが気に入ってしまい、自分の傘のようにしていつも裁判所に持っていっていて、私が使おうとすると傘立てに入っていなかった)は、未だに壊れることなく、事務所の傘立てに入っている(その頃は初代小次郎もいなかったのに、なぜか目立たない犬柄である)。

 一方で、折りたたみ傘は、常時鞄に入れているのと、使用頻度の関係か、よく壊れる。
 当初はワンタッチで開く傘を持っていたが、最初の頃のものは、開く力が強く、開いた瞬間濡れていたりすると、周囲に水しぶきを飛ばす上、バネが強すぎて渾身の力で押し込まないと折りたためないいうシロモノであった。
 その後もワンタッチ傘にしていたが、バネの部分がよく壊れるし、ワンタッチのギミックがあると年を取ってくると、その分重く感じるので、ここ数年はべきべきと折りたたむ傘を使用している。
 この手の傘は小さくなり軽いのだが、その分華奢な作りでよく壊れる。
 1年保てばいい方で、先日も割合気に入っていた傘がシャフトの部分が中で折れたようで、伸びなくなったため、新しいものにした。

 早く梅雨が明ければいいと思いつつ、梅雨が明ければ猛暑の予想もあり、もうしばらくは傘が必要そうである。
 オチもなく、以上です。

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