在りし日の小次郎
ハヤカワ文庫。リチャード・ブレストン。
エボラウイルスは知らない人はいないであろう。
エボラ出血熱を発症させるウイルスで、その致死率は極めて高い。
マールブルグウイルス(ひも状のチェロキーのような形状のウイルス)の一種である。
マールブルグウイルスにより、ある男が生きる屍となる状態を描写するところからこの物語は始まる。
まさにその姿はゾンビさながらである。
恐ろしいウイルスに感染していることを知らず、その男の血を浴びた医師もまた感染して生死をさまよう。
そして、後により致死率の高い同種のエボラウイルスによる死者が多発していく。
恐怖でしかない。
その後、アメリカの都市部で、サルを販売している会社のサルが次々に死んでいくが、その症状は、マールブルグウイルスによるものだった。
その職場で働いていた人たちが体調不良を訴える。
サルを経由して、マールブルグが猛威を奮い、アメリカ本土で人々を感染させてしまうのか。
そのマールブルグウイルスを封じ込めるため、専門チームがサルを安楽死させていくのだが、感染から死の危険と隣り合わせ懸命の作業が続く。
日本には、こうした感染症を封じ込めるための専門家が不在と言われている(自衛隊は感染者を出さなかったようだが)。
コロナが変異により、致死率を高めた時、世界は生き残ることはできるのだろうか。
2日連続で同じような読書日記で申し訳ないが、事実を我々は知る必要がある。