在りし日の小次郎
子どもというものはよく分からないことをするものである。
小さい頃、友人と鉄の棒で近所の壁をゴリゴリして、大きい穴を開けたことがあった。
その家の人は、子どもが壁にラクガキでもして遊んでいるのかと思っていたところ、壁に穴が開けられて、驚いて私の母親のところに来たそうである。
祖父が大工仕事ができる人であったので、祖父が穴を塞いでくれたのだが、色がそこだけ違っていて、前を通るたびに、穴を開けたことを思い出したのだが、しばらくすると、高速道路の騒音対策とかで、高速道路に面しているところの家の壁が防音壁になったとかで、綺麗になっていた。
それを見て、もう穴を開けたことを思い出さなくてもよくなったと思ったものである。
そもそも、あの頃は鉄の棒などが落ちていたのである。
今であれば隆志少年は児童相談所送りとなっていたかもしれず、ご近所の人が温厚な人でよかったと思う今日この頃である。