在りし日の小次郎
小学生の頃、雀と鳩を何が何でも捕まえたいと考えていた時期があった。
鳥獣保護法上問題ではあるが、小学生だったのと時効なのでご容赦願いたい。
自宅のドアはスライド式で、そこに紐をつけて、引っ張るとドアが閉まるよう何度も何度も工夫をした。
自宅の玄関内まで鳥の餌をまいて、鳥が自宅内に入るとドアを閉めるという作戦であった。
100回くらい失敗の上、雀は捕まえた。
玄関内で慌てて飛び回る雀を釣りのタモアミで捕まえて籠に入れたのであった。
このときの雀のパワーには驚いたものである。
しかし、それまで自宅でジュウシマツを飼っていたのだが、籠に入れると以外に雀は大きいのである。
数時間籠に入れていたが、あまりにもしょげかえっているので、放してあげた。
その後はハトだが、鳩の方が捕まえるのに苦労した。ドアを閉めようとするのだが、鳩の方が雀よりいざとなると素早いのである。
結局、私が鳥を捕まえようとしていたのを見ていた近所のおばさんが、鳩が玄関内に入ったのを見て、閉めてくれて鳩を捕まえることができた。
しかし、雀で懲りればよかったのであるが、鳩は当然雀より大きいため、そのパワーは小学生には驚愕であった。
奮闘してようやくタモアミで捕まえたものの、ここで小学生の隆志は気づいたのであった。
鳩を入れる籠がないことを。。。
ということで鳩は即時解放されたが、雀と鳩を捕まえてはみたものの、「捕まえる」という行為に集中し、その後のことは考えていなかった小学生の隆志少年は、それから雀と鳩を捕まえることに一切の興味を失ったという。
以上です。