在りし日の小次郎
弁護士が懲戒請求を受けたり、訴えられたり、依頼者と紛争となったりする場合、代理人(当然弁護士)を依頼する方がよい。
弁護士は他人の紛争の解決のプロではあるが、弁護士も自身の紛争となると、我々が受任している依頼者と変わりがない。
むしろ、不当な紛争であればあるほど、法律を知るが故に怒りが強いように思われる。
大変ニッチな依頼分野であるが、25年間で弁護士の代理人をかなりしてきた。
おそらく、私ほど同業者の代理人をしている弁護士も少ないのではないかと思っている。
守秘義務に反しない程度での事件の対応相談まで含めると、相当な数になる(現在進行形のものもいくつかある。)。正確には数えていないものの、三桁は軽くいくであろう。
私も個人的なことなどで友人の弁護士に依頼したことが数回あるが、変な話ではあるが「弁護士に依頼するのはいいなあ」と感じたものである。紛争解決には、他人の目が必要なのである。
どうしても弁護士は自分がブロであることから、自分で対応しようとしがちであるが、弁護士の代理人をしてきて思うのは、冒頭に書いたように、弁護士も通常の依頼者と変わりなく、ものすごい怒りの文章や激越な表現の書面を出そうとしていたり、あるいは、全く悪くないところで謝罪しようとしていたり、混乱しているのを見て来た。
おそらく、自分で対応して、よりひどい状態となっていたり、悪い結果を招いてしまった弁護士もいるように思われる。
なので、弁護士は自分自身の紛争は、知人友人の信頼できる弁護士に相談したり、依頼する方がよいと思う今日この頃である。