中小企業のリース・クレジット被害

中隆志

中隆志

 平成17年から悪質な中小企業に対するリース・クレジット被害の救済をするため活動してきているが、未だに被害が減らない。
 平成18年には弁護団を日本ではじめて京都で私の声かけで結成し、それから13年が経過したが、未だ被害がある。
 弁護団がある地域は対応可能なのだが、弁護団がない地域ではどうなっているのか以前から不安があるが、そこまで手が回っていない。
 被害があるのが、弁護団がある地域だけということはないと思うのである。

 被害のパターンとしては、

1、販社が、「今ある機器を入れ換えさせて欲しい。入れ替えても、そのリース料・クレジット代金は自分のところで負担するので、実質ゼロである」として契約を勧誘するもの。キャッシュバックと呼んでいるが、いつの日か破たんする。当面の現金を作るために販社が虚偽説明をして契約させるのである。複数の機器が入れられていて、総額1000万円を超える契約となることもある。

2、古典的なものとしては、「今ある機器が使えなくなる」「新しい機器を入れた方が安くなる」として、解約させて契約するもの。当然、安くはならず、毎月の支払は増える。また、解約した解約代金を次のリース料に上乗せして、解約を繰り返し、コピー機一台しか入っていないのに、月のリース料がとんでもない金額になっていることがある。これは、解約料を上乗せしているからである。

 販社がこうした虚偽説明でリース契約やクレジット契約をさせて物を売ったとして、販社が虚偽説明をしていたので契約を解除したり、錯誤無効や詐欺取消を主張した際、リース会社・クレジット会社は「そんな悪いことを販社がしているのなんて知りませんがな」といえば、裁判所はその主張を認めてリース会社・クレジット会社を勝訴させることが多い傾向にある。
 一般の感覚からすれば、リース会社・クレジット会社の営業部門を販社が担っているのであるから、一体として見て、どちらを優先させるべきかは明らかだと思うのであるが、裁判所は違うのである。
 もちろん勝訴している事案もあるし、勝訴的示談ができているケースも多数あるが、対応可能な弁護士がどこまでいるか、ということである。

 中小企業の皆さん、そのリース契約・クレジット契約が本当に必要かどうか、場合によったら弁護士会の相談で相談するなどして、印鑑をつく前に、「弁護士に一度相談してみます」ということでものすごい被害が防げるかもしれません。
 安易に印鑑をつかないようにくれぐれもお願いします。

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