名寄ひまわり基金法律事務所引き継ぎ式

中隆志

中隆志

 6月15日の土曜日の夜に札幌入りをして、日曜日の早朝から名寄に出向いて、名寄ひまわり基金法律事務所引き継ぎ式に出席してきた。
 公設事務所というのは、国がしている事務所ではなく、日弁連が会員から集めた会費の中からひまわり基金を作り、その費用で開設をしている事務所である。独立採算制であるが、一定の収入額に満たない場合には収入が補てんされる。
 弁護士数が少ない地域で、司法アクセス障害の解消のために最前線で尽力されている事務所である。
 京都にもいくつかひまわり基金法律事務所は存在したが、そのまま自分の事務所として地元に定着し、今は京都にはひまわり基金法律事務所はない。
 日弁連の公設事務所・法律相談センター委員会の代表として参加したのである(肩書きは副委員長)。引き継ぎ式というのは、所長の交代がされる時に開催される披露宴である。

 当日は荒れ模様の天気で、名寄に着いた時点で9時54分であった。これは、敢えて早く行ったのではなく、次の電車だと遅刻するからである。旭川空港経由だと関西からは今の時期は直行便がなく、とてつもない時間飛行機に乗るハメになることがわかり、乗り換え案内サイトで何回も検索した結果、新千歳から札幌入りして名寄まで電車で行くこととなった。7時30分に札幌を出て上記の時間である。名寄に着いたら、時間があるので、その辺を散策しようかとも思っていたが、あまりの寒さに断念した。
 やむなく会場へ向かうがまだ10時20分で、引き継ぎ式の披露宴は13時開始なので時間が余って仕方がない。
 喫煙室があったので葉巻を吸いながら本を読んでいた。そのうちに参加される弁護士が三々五々と集まってきたので雑談をしていると、12時から記者会見があるということで、委員会代表として参加してきた。新聞が3紙、地元FM1社が取材に来ており、関心の高さがうかがえた。

 披露宴が始まったが、なんと司会予定者が飛行機が荒天で遅れているということで、突然何も聞いていなかった若手が代わりを指名されていた。かわいそうである。案の定カミカミであったが、それがまた和やかなムードを醸し出していた。名寄市や周辺の自治体からも参加者があり、福祉関係者の出席も多かった。地元で名寄ひまわり基金法律事務所が受け入れられている証拠である。
 札幌修習の同期も偉いさんになっていて、1人は道弁連理事長、1人は次年度の会長候補者であった。旭川の副会長は元京都弁護士会で、これまたいい味を出していた。私が最初に修習指導担当をした修習生と同期で親友だという弁護士も居て挨拶をされ、我々法曹の世界は色々とつながりがあることを再認識した。
 私も途中でスピーチをしたのだが、会場からチャチャが入り、応対していたらある程度の笑いは取れたが、まとまりのない挨拶となってしまった。反省である。
 25年前に札幌で修習をし、北海道各地を同期とそれなりに回ったので、北海道の広大さは少し分かっているつもりである。その広大さ故の移動時間の長さ、人口密集度の本州との違い等、北海道の先生方のご苦労話もあり、本当に地元のために尽力されている姿に接して、私自身もまだまだ努力しないといけないと感じさせられた。
 現所長の挨拶は仕事と関係のない話であったが大爆笑で(本人の同意がないので中身は書けないが)、新所長も極めて真面目な好青年であったが、今いる事務所では事件では依頼者から信頼を得て相応に稼いでいるということで芯の強さを感じさせられた。
 全体的に和やかで、本当にいい引き継ぎ式であった。

 日曜日の夜にも関西には帰れないことが分かっていたので、そのまま札幌に泊まり、月曜日の早朝に札幌を出てそのまま事務所で仕事である。
 身体は疲れたが、精神的なパワーを私ももらったので、益々頑張っていきたい。
 ガンバレ、名寄ひまわり基金法律事務所!

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