事務所で1人の時間

中隆志

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 休日などに仕事に来て、事務所で一人で仕事をしている時間もまた格別である。
 集中できる上、静かでもあるし、自分1人の時間は大事である。

 弁護士が私1人の頃は、事務局が帰った後の時間、太い葉巻を吸いながら事件のことを考えたり、起案したり調べ物をする時間が好きであった。
 ずっと1人だとさみしくもなるだろうが、こうした時間を持つことも大事だと思っている。

 ある弁護士が早朝事務所に行って1人で仕事をしようとしていると、事務所で徹夜している弁護士がいてなんとなく面白くなかったというのもの分からないではない(徹夜していた弁護士は勤務弁護士だそうだが、徹夜するほどの仕事は渡していないはずとのことであった)。
 また、早朝事務所内で目覚ましが鳴り、寝袋から別の弁護士が起き出されてこられても腹が立ったというのも気持ちが分かる気がする。

 寝袋が事務所にあり、事務所で寝ていたとかというのは昔の弁護士からはよく聞いたが、最近もそういう弁護士がいるのだと思った。
 他の弁護士であるが、事務所のイスで毎日3時間か4時間しか寝ていない弁護士もいるようである(家にはいつ帰っているのか定かではない)。
 こういう弁護士が事務所にいて、休日1人で仕事をしようとしてなんとなく妨害されたという気持ちになるのは共感できるところである。

 徹夜していたり、寝袋で寝ていたり、イスで寝ている弁護士は、1人の時間が欲しいのかもしれない。

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