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新潮社。1巻から3巻。宮部みゆき。
宮部みゆきの現代小説は、かなり読んでいるのだが(今は探偵・杉村三郎シリーズが刊行されている。)、とてつもない分厚さに発売されて直ぐに購入したのだが、自宅の読んでいない本を置く本棚のどこかに紛れてしまい、ずっと探していたのだが、少し前から自宅の部屋の断捨離を少しずつするようなり、ようやく発掘できたのである。
雪の中に埋もれた中学生の死体。彼の死は自殺なのか、それとも他殺なのか。彼の死に始まり、全国的な騒動に巻き込まれた中学校の主人公は、学校内裁判を開くことを決意する。
裁判の場面を見ていると、普通の中学生が新人弁護士や検察官顔負けの尋問をしており、そこはまあ小説なのだろう。多分事務所に入ったばかりの弁護士であれば、ここまでの尋問はできない(修習生でも普通無理である)。
一般的には最後まで読ませる作品だと思うが、たくさん小説を読んでいるおかげか、途中で筋が読めてしまった。
ただ、伏線が最後見事につながるのは、さすが宮部みゆきである。
文庫版の6巻には、その後の藤野涼子(主人公の女の子)が、杉村三郎シリーズに登場している短編が収録されている。そのためだけに文庫版の6巻も購入したのだが。