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ハヤカワ文庫。レイモンド・チャンドラー。
完結した物語ということでは、チャンドラー最後の作品である(遺作は、「プードルスプリングス物語」で、物語が途中であったものをロバート・B・パーカーが完結させて、ハヤカワ文庫から出版されている。)。
村上春樹訳である。
清水俊一氏の訳で今までに2回読んでおり、村上春樹訳はハードカバーで1回読んだので、プレイバックは合計4回読んだことになる。
作品としてはあまり評価されていないが、やはり、チャンドラーであるので、その文体はオリジナルであり、誰も真似をすることはできないものである。
あまりにも有名となった台詞「タフでなければ生きていけない。優しくなくては生きていく資格がない」を村上春樹がどう訳すかというところも興味があったところである。
村上春樹訳は、ハードカバーが出た時点で1回、文庫版が出たら購入して1回最低は読んでいるが、「水底の女」の文庫が出れば、村上春樹のチャンドラーは新しいものはもう出ない(文庫は厳密には新しくはないが)。
一部はチャンドラーが書いているので、前述のプードルスプリングス物語も村上春樹が新しく訳してくれてもいいと思うのと、マーロウが出てくる短編も訳してくれてもいいのではないかと、最近思っている。
多分村上春樹の中では既に終わったという感じなので、しないだろうけど。