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新潮文庫。モーム。
40歳を過ぎてから少しずつ世界文学を読んでいるのだが、これも名作であると言われているのに読んだことがなかった。
ゴーギャンをモデルにした絵描きが主人公である。
彼を知る人物の口を借りて、主人公の生涯が語られる。
主人公はある日家族を見捨てて、自らの才能を信じて極貧生活の中で絵を描くことに没頭する。周囲の人生を破壊しながら、絵を描き続ける彼の心の闇とは一体どこにあったのだろう。
小説はくだらない、時間の無駄という意見もあるが、想像の力、物語の力を教えてくれる作品であると感じた。
長年読み続けられる作品には、それだけの力があると感じさせてくれる作品である。