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文藝春秋。マイケル・ファベイ。
著者は自らこの著作の中で、アメリカが正義であるという立場で書いていると明言しており、逆にその点は潔く好感が持てる。
あくまでアメリカ視点で見た、太平洋におけるアメリカと中国との緊張関係を描いた本であるが、現状を知る上で非常に参考となる。
ミサイルが撃たれている訳ではないが、筆者は太平洋における状況を、一つの戦争状態と捉えている。
中国海軍はアメリカ海軍が最新の技術が駆使された空母などを開発していない間に、すさまじく近代化してきた。
なぜアメリカはこれを傍観していたのか、アメリカ国内での海軍の置かれてきた地位なども整理されている。
トランプが大統領となってこの関係にどう動きが出るのか等も書かれており、新聞で書かれている東南アジア海域での中国の行動の裏を知ることができる一冊である。