在りし日の小次郎
講談社文庫。高野秀行、角幡唯介。
冒険家の2人による対談。2人とも、早稲田大学の探検部出身の作家である。
それぞれの探検の中身や考え方は違うが、それぞれの個性でそれぞれの探検をしており、うらやましい(が、苦労も相当あるようである)。
私は二人の文章を読んでいて、「ラクに書いてるのだろうな」などとは思ったことはないが、二人は「探検しただけ」のように思われるのが相当イヤなようで、そのことに対する苦情をさんざん言い合っているのも面白い。
早稲田大学の先輩たちの無茶苦茶なエピソードも乗っていて、肩の力を抜いて読むにはいい本である。先輩が、語彙力のなさから幻の生物が生息していると勘違いして、山奥の村まで行ったが、そこに居たのはただのイヌだったという話は爆笑した(高野も爆笑している。地元の人に「こんな生物が生息していないか」と聞いて、地元の人は正しく「そういう色のイヌなら何々村にいる」と回答しただけだったようだが。ネタバレになるので、これ以上は書かない)。