寒波到来
検察審査会への不服申立の依頼を受ける時があるが、その場合に必須なのは不起訴となった刑事記録のコピーの申請である。
昔は交通事故の実況見分調書しか出なかったが、犯罪被害者の権利が拡充されるのに伴い、他の不起訴記録でも代替性のないものは開示されるし、交通事故でも信号の色が問題となるような事案であれば、信号の周期表等々、報告書の類いを取り寄せられることもある(私は現実に取り寄せている。)。
最初に受けた殺人事件の審査会申立の頃は、不起訴記録は一切開示されなかったが、担当検事が説明のために、不起訴裁定書の概要をご遺族に書面で交付してくれていたので、そこからどんな証拠がありそうか推測できたので、それを前提に資料等をつけて申立をしたところ、起訴相当、不起訴不当(被害者が2名であった)の議決をもらうことができた。
しかし、これとても担当検事の説明文書がなければ無理であったろう。
不起訴記録も取らずに審査会への申立をしている例が時々散見されるが、検察庁がどのような証拠関係に基づいて不起訴としたのか分からないままで、起訴するべきといったところで、説得力がないことは明らかである。また、その証拠をつぶす資料も提出しないと(交通事故だと私的鑑定など)、同じ証拠関係では一般的には難しいのではなかろうか。
時々知らない弁護士がいるので、たまには真面目なことも書いておく。