第30回全国法曹サッカー大会その2

中隆志

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 全国大会の初日は雨であった。台風が近づいてきているせいである。
 夜中開け放された窓枠は雨で濡れていた。

 起床して風呂に入り、朝食を食べに行く。5種類のカレーがあったが、以前どこかの大会で、とあるキーパーが朝から3杯カレーを食べて「アップができません」と言っていたのを思いだして、1種類をすするだけにした。その他のおかずも美味しく、窓が固まる以外はいいホテルなのかもしれない(ちなみに、2階に大浴場がある)。
 フロントで、「窓が閉まらなくなりまして・・・」というと、「ああ」という感じで特に何も言われず、一緒に部屋に行くと、「全開にすると、ここがロックされるんです。中々簡単には外れません。ちょっとだけ開けるのがポイントです。」といわれてしまった。
 そんな窓、あかんやん。。。また、そうならそうで、早く言ってよ・・・。

 という一幕はあったが、バスに乗り会場に向かおうとしたが、同時刻は他のチームもバスに乗るため、満席で京都チームの人が乗れないという事態が発生したため、やむなく一緒にタクシーで向かったのであった。

 京都1(毎年優勝候補。不運さで9年間優勝から遠ざかっている。ちなみに前の優勝は平成19年の広島大会で、この時は私が京都1で決勝ゴールを決めて優勝した)と京都2(エンジョイサッカーして、みんなで少しでも上を狙うチーム)が今大会には出場しているが、私はもちろん京都2である。47歳で優勝を狙うチームにいられる訳がないのである。
 両方のチームがほぼ同時刻の試合のため、双方応援できないのが残念である。
 今年は5チームが一つのリーグに分けられ、25分4本を総当たりで戦うという形式で、1位リーグに入ればベスト4という形式であった。
 京都1の対戦相手は九州選抜、神戸2、東京2(こちらは2が若いチームで東京1より強い)、札幌と対戦である。
 京都2の対戦相手は地獄の対戦相手である。
 名古屋2(優勝経験もある名古屋1を、昨年は名古屋同士の対戦で勝っているので、かなり強いはずである)、東京1(こちらはアダルトチームであるが、少し前の福岡大会では京都1を決勝で破っているので、これまた強いチームである)、神戸1(関西勢で春に争う関西カップでは何度か優勝しており、これもとても強いチーム)、大阪1(これも優勝候補で、過去に何度も優勝している)という、嫌がらせのような対戦相手であった。
 私が監督兼主将兼選手である京都2は、これに対して人界戦術で対抗することとしていた。
 今年の大会は、参加者が非常に多かったので、京都2は25名が参加していたのである。
 25分のうち、12分半を全力でやりきり、疲れたら交替するという作戦であった。

 名古屋2との初戦、私が飛び道具として京都2に入れておいた近藤修習生を左サイドで起用したのが当たった。
 中央で船坂選手がキープしたボールを左の近藤選手につないでミドルシュート。これが見事に決まり、開始5分で1-0となった。私も右サイドハーフで先発していた。得点には絡んでないけど。
 勝っている状態がほとんどない京都2(毎年最下位リーグをうろうろとしている)は、浮き足立つが、これを叱咤して落ち着けようとし、選手をどんどん交替していき、20分間名古屋の猛攻を全員で守り切り、初戦で勝ち点3を確保した。
 例年にない状況である。
 これは、ひょっとしたら1位通過可能か?
 しかし、全国大会はそれほど甘くなかったのであった。
 つづく。

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