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幻冬舎新書。山村竜也。
伊庭八郎は、戊辰戦争で幕府側について戦い、戦争途中で隻腕となり、その後戦死した幕末の剣豪である。
征西日記とあるので、斬り合いなどが書いてあるのかと思いきや、その中身はグルメ日記であり、うなぎが美味かったとか、お菓子がどうとか、大半がそういうことを書いているのである。何月何日、「しるこをごちそうになった」みたいな記載ばかりである。
剣豪とは似つかわしくない日記であるが、大変ほのぼのとして面白い。
まさか伊庭八郎本人も、自分の日記が後世人の目に触れるということは考えていなかったであろうから、やや気の毒にも思えるが、当時の文化を知る上でも貴重な日記である。