書面を書く時
最近の若手の弁護士と相手方になったりして、感じるところを書いておく。なお、中堅弁護士やベテラン弁護士、ベテラン裁判官と雑談をしていても、似たような話は聞く。もちろん、全ての若手弁護士がこうだということではなく、そういう人がいるということである。
1、書面の趣旨が不明。
こちらの主張に対する揚げ足を取るような反論はするが、では、自分の主張はどうなのかというと、そこが不明である。昔の先生の中には、わかったようなわからないような主張を敢えてする人もいたらしいが。
その点を裁判官が聞くと、中には、「自分が批判された」と思い、激高するものもいるということである。
2、言葉遣いが激越
反論をする際、中堅やベテラン弁護士は一般的に名誉毀損とならないよう、言葉遣いに気をつけるものだが、法律家として使わないような言葉遣いを選択していることがある。
書面や口頭で注意することもあるが、逆に怒ってきたりする。
裁判官が、「ここは陳述させません」として陳述させない扱いとしてもらったことも何回かある。
たまに準備書面の記載で懲戒になっている例もあるので、注意が必要である。
3、間違いを指摘すると、正当化しようとして、長文の書面が来る。
間違いは間違いなので、認めればよいのであるが、正当化しようとして、長文で言い訳がましい書面が来る。特段当該弁護士の人格を否定している訳でもなく、間違いだから指摘しているだけであるのだが。
4、1人で独立をすると、偉そうになる。
1人で事務所をしていると、その事務所の中では基本的に王様となるのが弁護士であるので(私の場合は、事務所の他の弁護士にも突っ込まれたり、事務局からも突っ込まれるので、王様とは言いがたく、戦国時代の小領主程度であろうか。)、事務所内での態度がそのまま他人にも出ている人がいる。
私の方がかなり先輩でもあるし、そもそも先輩でなくとも弁護士同士はお互いを尊重しないといけないのであるが、偉そうな態度を取られることもある。
1人事務所でなくても、偉そうにしている弁護士もいるが。あるとてつもなく偉い先生は、かなり期が下の弁護士に偉そうかつ無礼な態度を取られて、非常に温厚な人であるのに、怒りでわなわなと手が震えたとおっしゃっていた(この方自身は、下の期の方にも非常に丁寧であり、尊敬している先生の1人である)。
他にも色々あるが、個別性もあるので、私が見聞きして、他の弁護士からも同意が得られている代表的なものを列挙した。
自信がある人は、偉そうにしないし(私のボスも、誰に対しても丁寧)、批判されてもどしっとしている。経験がなければ、自信はつかないであろうし、自信のなさのあらわれなのであろうと思うことにしている。あるいは、自信ではなく過信をしているケースもあるが、過信の場合、そのうちどえらい痛い目に遭うことになるのがこの世界の通例でもある。
以上。