書面を書く時
新潮社。川上和人。
数少ない鳥類学者の筆者が、鳥についての知見や、自身の経験談を語る一冊。
表題とは裏腹に、鳥類への愛が溢れていると思う。
文体がとにかくふざけており、読んでいて楽しい(何となく照れ隠しな気がするが・・・)。
鳥類についての学識も記載されているが、軽妙な文体で気にならない(むしろ、軽妙な部分が多すぎる気もするが)。外来種が入ることでどれだけのものが失われるか、絶海の孤島に行くために、どれだけ入念な準備が必要か(孤島にいないはずの生物を持ち込んではいけないのだ)等々、鳥類学者の仕事の片鱗がうかがえる。
読みやすく、読み手のことも考えている一冊。
面白かった(バッタを探しにアフリカにの作者と通じるものを感じた)。
面白く、知識も得たい方には是非。