書面を書く時
新潮新書。スージー鈴木。
私自身サザンファンであり、来年サザンがデビュー40周年であるので、おさらいのつもりで買ってみた。
知らなかったエピソードや、世間の評価が桑田さんの本当の偉大さに比べて低いことを嘆いており、筆者がサザンが本当に好きなのだということが分かる。
桑田さん、あるいはサザンは今でこそ出す曲出す曲ヒットを飛ばすが、デビューして爆発的に売れた後、売れなかった時代がけっこうあり、その頃のサザンについても詳しく書かれている。
アルバム一つ一つの曲に対して☆をつけていっているが、これは要らなかったなあと思っている。
今でもサザンのコンサートでよく歌われる歌が☆が低かったり(ということは、桑田さんにとって、☆は高いということ)、私からすると「これは違うだろう」という☆もある(多分サザンファン1人1人違うと思うが)。
一曲一曲思い出して、またサザンの昔のアルバムを聴きたくなるという意味ではいいのだが。
売れた枚数も掲載されており、栞のテーマは名曲だと思うのだが、当時は4万枚程度しか売れていなかったということにも驚いた。
新曲を出しても、往年の名シンガーやバンドの歌が売れない時代に、ソロでもバンドでも今も売れ続けている桑田さん、サザンはやはり、天才、すごいとしかいいようがない。
数年前、紅白歌合戦で、コンサート中継の際の紫綬褒章問題等で桑田さんは批判されたが、この本を読んでいると、「確かに、サザンは昔からムチャクチャやってたよな」「サザンのムチャクチャは、今に始まったことではないよな」「これがサザンだ」ということも思い出されて楽しい。
サザンファンのみなさん、是非ご一読を。