書面を書く時
最近、ベテランから中堅弁護士や裁判官と話しをしていると、「準備書面の質が悪い」という意見を聞くことが多い。
準備書面は、相手の主張を認否した上で(私は認否はあまりしないことが多いが)、事実を主張し、それを踏まえて事実を評価したり、法的評価を主張するためのものである。
ところが、最近、若手弁護士の書いたものの中には、事実が何かよく分からず、法的な評価もよく分からないが、こちらの準備書面の揚げ足を取るだけに終始している書面が多いという声を聞く。これは、私もそういう書面があるなあ、ということには同意できる。
揚げ足だけを取るので、結局何が言いたいのか分からないのである。
また、書面を書くについいて、当然確認しているだろうという点を期日などで裁判官や相手の弁護士から聞かれると、「確認します」ということでその場で答えないという例も見受けられる。
準備書面を批判されると、自分が批判されたかのように躍起になって自己弁護のようなことを主張してくる例もある。
中身は何もないが、言葉だけがやたら激烈なものもある(度を超すと、懲戒の対象となったり、損害賠償請求を出される。)。
事務所でのトレーニング不足なのか、どうか分からないが、そういう書面を書いていると、裁判所もいいようには思ってくれないであろうし、準備書面は事実を書き、事実を法的に評価し、そのことからすると相手の主張には理由がないのだというように書かないと、裁判にも勝てないであろう。