在りし日の小次郎
先日、高裁で逆転勝訴判決を得た。
当方から貸付金と売掛金を請求していた事件であるが、一審は全面請求棄却であったが、控訴審ではほぼ全額の請求が認められた(これを書いている時点で電話で主文を聞いただけであり、判決正本が送達されていないため、中身を精査できていないが、計算間違いのレベルのようである)。
一審で和解協議に入った際に、「請求は認められないので、解決金でどうか」と担当裁判官から言われた際に、「話にならないので、高裁でやりますから終結してください」と啖呵を切っていた事件であった。
私の見立てからすれば、請求棄却はあり得ない事件であったためである。
一審判決が届いたが、何を書いているのか正直よく分からず、私の目が曇っているのかもしれないと思い、当事務所の紀弁護士にも見てもらったが、私と同じ心証であり、控訴理由書も私が一審で書いた筋で書いたところ、表記の結論となったのである。
高裁で一審勝訴していた当事者に対して敗訴判決を書く際には、弁論か和解の席で「高裁の心証は一審とは異なる」ということをいうのが慣例である。
この事件も、弁論期日で和解を入れる際に、法廷で、裁判長の方から、「一審とは異なる心証を持っています」と言われていたが、判決が出るまで100%の自信というのはやはり持てないのである。
和解は一審勝訴している被控訴人が、「高等裁判所の認定は間違いである」と述べていたため和解が決裂してしまったのであった。
一審がいかにおかしくとも、高裁がさらにおかしいこともないではないので、いつもこううまくいくという訳ではないが、当たり前の主張立証をして、当たり前の判決結果をもらえるというのは、やはり気分がいいものである。