読書日記「凱風館日乗」
依頼を受ける際に、依頼者から、「解決までどの程度の時間がかかりますか」と聞かれることが多い。
これは、相手のあることなので、正直分からないと答えるしかない。
もちろん交通事故の訴訟などであれば、通常の流れでいけばこの程度くらいと答えられるも
のもある。
相続の事案などは、親族間の感情的対立などがあったりすると、5年などかかる場合もないではない。
また、相手方本人の特性であったり、相手方代理人の特性などのために、中々進まない事件もある。
話合いで解決することが望ましい事件で、しかもそれが可能な内容であって、裁判所も当方もそう考えていても、相手方本人がそう考えない場合や、代理人の感性がずれていて、本人にリスクであったり今後要する時間的なロスなどを説明しているのか疑問なしとしない場合もある。
これは解決まで5年は最低かかるだろうと思っていた事件が1年で解決する場合もあれば、逆に1年程度で終わるだろうと思っていた事件が5年かかるなどということもないではない。
できる限り予想の範囲で時間的にはこれくらいには解決できるといえる場合はそうするが、本当に分からないものなのである。