文献調査
相談に来られる人や依頼者に、「裁判官によって判決の結論が変わる」というと非常に驚かれる。
同じ証拠で同じ主張をしても、裁判官によって真逆の結論が出ることもままある。
裁判官の中には、記録を読み込まないで、思い込みが強いものもいる。
地裁で敗訴して高裁があるではないか、日本は三審制ではないか、と思われる方もいるかもしれないが、最高裁まで行ってひっくり返るような事件はほとんどないから、実際は高裁が最後である。
その意味で、高裁でおかしな裁判官にあたるとどうしようもないことになる。
立派な裁判官がいることは否定しないし、本当にこの裁判官でよかったと思える事件がないではない。
しかし、どちらかというと、ひどい裁判官と当たってひどい判決を受けた時の方が印象に残るものである。
地裁の裁判官が間違ってばかりかというと、そうもいえず、一審の判断の方がどう考えても正しいということもある。
要は、どの裁判官に当たるかでものすごく事件は左右されるのである。
同じ主張立証をしていても、ひどい裁判官が赴任してきている時は全く駄目であるのに、裁判官が転勤で交代してきた時にいい判断が出されるようになるのである。
ある意味、弁護士にとってもどうしようもない場合がある。
相応にトレーニングされた弁護士であれば、ろくでもない裁判官が一定割合いるということはある意味裁判をするリスクとして織り込んだ上で訴訟遂行をしなければならない。
依頼者からすれば、一生に1度のことであるのに、思い込みだけで判決をされるということは、裁判制度への信頼をなくすことになる。
そして、ほとんどの場合、裁判官に対する弁護士の評価は一致しているものであり、あの裁判官はどうしようもないという評価はほぼ誤りはない。
そうした裁判官は、法曹の世界から去って欲しいと思うのである。