読書日記「凱風館日乗」
どうしようもない一審判決をもらうことがままある。
一審判決がどうしようもない場合、勝訴していても、控訴されるとひっくり返されたり一部敗訴する可能性もあるため、判決書を読んでも嬉しくない時がある。
どうしようもない判決で負けると控訴理由書が書きやすいので、それはよいのだが、依頼者が控訴しないといわれるとそれまでである。
控訴しない理由としては、
1、費用が続かない。
2、裁判所というところに幻滅してしまって、やる気が失せてしまった。
3、依頼者が他に懸案事項があり、裁判どころではなくなってしまった(本人や身内の病気など)
4、いい判決の場合、依頼者が判決に納得した
などがある。
代理人としては控訴したいのであるが、代理権は審級単位なので、ご本人に説明をしても、ご本人がしないと言われるとどうしようもないのである。
裁判所も控訴が出なかったからといって、自分の判決がよかったためという時もないではないが、そうでもない理由の方が多いと思っておいて欲しいものである。
特に、高裁で結論がよく変わる裁判官は反省してもらいたいのである。