大病と健康その2

中隆志

中隆志

 その後事務所を構えて少し経った頃にかなり多忙であったところ、息ができなくなったのである。
 病院をいくつか行き、自宅近くの大きい病院では「心臓が悪いのではないか」「背骨が曲がっているからでは」とか検査をしまくられた。
 喘息の疑いありということで気管を拡げる薬をもらっていたのだが、これを飲んだら心臓がバクバクいって「死ぬ」と思い救急車を呼んだ。
 そのとき救急の部屋に運ばれて処置を受けたのだが、横で交通事故で死んでしまった人がいたり、恐ろしいところに運び込まれたと思っていたのだが、最初はインターンのような医師が診ていたのだが、最後はそこの部長が診てくれた。
 私は亡くなった弁護士の原健先生という方と親しかったのだが(ある人によると、前世では親子だったらしい。私が親らしいけど)、その先生がそこの部長と懇意にしていたため、その部長に「絶対に死なしてはいけない弁護士さんやから」と言って電話をしてくれて、病院まで来てくれたのである。
 結局これは薬の副作用であったのだが、あちこちたらい回しにされるのに嫌気がさして滋賀県の町医者だが呼吸器科の名医の先生のところに行った。
 その先生は私の症状を読むなり(当時息が苦しかったので、紙に打ち込んでいった)、「中さん、喘息以外の何物でもないね。」と言ってくれ、治療をしてくれて一気に回復したのである。
 喘息というのは気管が炎症を起こしているので、ひどい時にはその炎症を取る為にステロイドの粉の吸飲薬を一時的に3倍くらい朝晩吸うのがよいとされていて、喘息の専門書にも書いてある(事務所に行くことができなかったので、大きい本屋に父親につれていってもらって息も絶え絶えになりながら専門書を購入してきたのである)。
 しかし、自宅近くの大きい病院で私がそうした治療もあるのではないかと言ってみたところ、学生のような若い医者は、「医者のいうことに口出ししないでもらいたい」と聞く耳を持たなかったのである。
 滋賀県の先生は、まさに私が専門書で調べたことを即座に実行しようと言ってくれたし、また、確定診断をその場でしてくれたので、本当に安心したのである。
 あの先生に巡り会わなかったら、大病院で検査ばかりされて殺されていたと思っている。

 その先生は亡くなられてしまって残念であるが、大病を二回して気づいたことは次のとおりである。
 1、過労は避ける。
 2、睡眠時間を確保する。
 3、ストレスを適度に発散する。
 4、運動する。
 5、医師のいうことをそのまま信じるのではなく、自分でも調べる。医学的知見をぶつけてみて聞く耳を持たない医者には行くのをやめる。

 特に重要なものは5で、これを実践しなかったら死んでいたであろう。

 今は発作もなく、予防の薬さえ吸引していればどうもないし、サッカーもできているのでありがたいことであるが、過労になると発作が出るとされているため、過労気味にならないよう気をつけているのだが、仕事の都合で疲れ気味となることはある意味致し方がないのである。

 若い弁護士やこれから弁護士になる人は、若さにかまけて身体を顧みないと本当に死ぬことがあるので、要注意である。

 以上。

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