在りし日の小次郎
依頼者:依頼者は被相続人に長年尽くしてこられた内縁の妻で、被相続人と共に京都府に住んでおられた。
事案の概要:内縁の妻に対して、相続人の一人が、被相続人の遺産を不当に取得したなどと主張して不当利得返還請求訴訟を提起した事案。
相手方が訴訟提起をした裁判所は、自分の住所地の管轄裁判所である沖縄の裁判所であった。沖縄の裁判所で訴訟を行うとなると、依頼者にとってはそれだけで、交通費等の費用や出頭する際の時間においても相当な負担となる。
方針:京都府下への裁判所への移送申立を行った。
①本件の事実関係や関係者は全て京都府やその近圏に存しており、沖縄の裁判所で審理を行うことは、訴訟の著しい遅滞を生じさせること、②本件の経緯等を資料に基づいて詳述し、当事者の公平の観点からも京都府下の裁判所で審理を行うべきであることを主張し、民事訴訟法17条に基づいて強く移送を求めた。
結果:京都府下の裁判所への移送決定がなされた。
なお、相手方は移送決定に対して即時抗告を行ったが、即時抗告も棄却された。
【コメント】
担当弁護士は中と紀でした。
突然遠隔地で訴訟が出されることはあり得ないことではありません。
裁判は場合によれば「移送」といい、自らが居住する裁判所に事件を送ってもらえることがあります。
遠隔地だと弁護士の費用もかかるし大変だと考えられて、ご自身で対応されようとされる方もおられます。
ご自身で答弁書を出される前に、一度当事務所にご相談されてはいかがでしょうか。