読書日記2月17日

中隆志

中隆志

「チェ・ゲバラ」中央公論新社。伊高浩昭。
 神格化された革命家であるチェ・ゲバラの実態に迫る新書である。
 暴力による革命が正当化されるかどうかはさておき、ゲバラが懸念していたような世界に今はなっており、それは今もゲバラが生きていた時代と変わりがない。
 なぜゲバラが革命を至上のものとし、なぜキューバから出国したのか、そしてなぜ死ななければならなかったのかが克明に描かれている好著である。
 若い頃の旅を描いた映画、「モーターサイクル・ダイアリーズ」は傑作である。
 ゲバラの戦いを描いた連作の映画はDVDを買って持っているが、最後は死ぬ運命にあるゲバラを見たくないので、中々見ることができていない。

「悪霊の島」(上)(下)。文春文庫。スティーブン・キング。
 全体を通して、もう少し短くてもよかったのではないかと考えさせられる作品ではある。
 何かが起こるまでの前振りが長すぎて、正直読んでいて疲れてしまうところがある。
 全体で文庫版で1000頁を超える作品であり、じわじわ怖さが来るところをむしろよしとするか、私のようにテンポ良さを求めるかで評価が別れる作品ではなかろうか。
 

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