寒波到来
ベテラン弁護士と話をしていた時に、最近の若い裁判官の中には相当にレベルが低い人がいて、法律家として嘆かわしいことであるという発言があった。
社会常識もなければ発言も場当たり的で、事件の終局解決に向けての努力も感じられず、和解の進め方も下手だし、記録も読んでいないというのである。
単に一つの事件を処理すればよいという考えが見受けられるし、判決を書きたくないから「和解」を進めてくるが、記録を読んでいないのでその事件の筋も見通せていないというのである。
また、事案の整理についてもその事件の道筋を考えて整理しているとはとうてい思えず、気づいた点を場当たり的に述べているだけなので、毎回いうことがころころと変わり、相手の弁護士が有利に言われた点だけを覚えていて和解の時にそれを振りかざされると、和解が頓挫してしまうこともあるということであった。
若い裁判官がのきなみこうだとはいえず、若い方にも非常に優秀で、感心させられる方がいることも事実であるが、確かにそのような傾向があることについては私もその場で同意したのである。
生涯に一度きりしかないかもしれない紛争で、当事者からすればそういう裁判官に当たったのは運が悪かったでは済まないのであるが、こうした裁判官も経験を積めば向上するのであろうか、はたまた、再任の時に再任されず、害悪をまき散らすことがなくなるのかは分からないところである。