現場に行くということ

中隆志

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 勤務弁護士時代、元ボスからは、事件の現場にできるだけ行かないといけないということを言われており、実際に忙しい合間を縫って、元ボスも現場に行かれていた。

 交通事故の事件で過失相殺(被害者側にも過失がある)が問題となりうるような事件では、できるだけ現場を見に行くようにしている。
 交通事故などであれば、実況見分調書に写真がついているので、それを見れば足りるという意見もあるのだが、現場に行くと、写真では分からなかったことに気づかされることがあるのである。
 実際、事故現場にちょうどその事故が起こった時間帯に行ったことで、現場の暗さや、見通しの悪さがわかり、暗い状況を写真に撮ることで、裁判所の理解を得られた事件があった。
 また、お亡くなりになられたような事件の場合は(全ての事件ではないが)、仏前にお参りさせていただいたり、現場に花を添えさせていただいたりなどもしている。
 生前の写真を1枚いただくこともある。
 お亡くなりになられた方のイメージを持ちたいし、事故現場を見て分かることもあると思うからである。
 本日も午前は福井県の事故現場に行く予定である。
 そのことで何かイメージをつかめればと思っている。

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