アルコール分解酵素

中隆志

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 元々日本に住んでいた縄文人はアルコールに強く、大陸から渡ってきたとされる弥生人の中にはアルコール分解酵素が欠落している遺伝子を持って居る人がいたため、そういう遺伝子がある人は酒が全く飲めないようである。
 混血も進んだであろうから、現代日本人を縄文人と弥生人とに区分けできないとは思うが、アルコールが全く飲めない人は分解酵素が欠落しているか、遺伝子的に分解酵素が少ないのであろう。
 遺伝子的には東北以北と九州はアルコール分解酵素がきちんとある人が多く、関西を含む中央日本では少ないようである。

 私自身は関西出身であるが、酒はそこそこ飲めるし、酒無くして何が人生だという人である。
 父方も母方も親族の中では1人を除いて私以外に飲める人がいない。
 その1人は父の実父であり、私の祖父である。
 酒が好きで、私が小学生の頃に酒の飲み過ぎが原因と思われるが、確か脳出血になり、私が小学校6年生の時に60代で若くして亡くなってしまった。
 一族の中で唯一酒が大量に飲めるので、祖父のように酒で死ぬのではないかと親族からは危ぶまれているが、祖父は業務用の柔らかい横がボコボコっとした大きい焼酎を飲んでいたというから、私などとは比べようもない酒量であったろう。

 弁護士の仕事は好きであるし、これ以外の仕事はできなかったであろうと思うが、それでもストレスがたまることは否めない。
 酒を飲んで仕事の憂さを晴らせるという意味では、私自身にアルコール分解酵素があることを喜ぶべきであろうか。

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