寒波到来
何気なしに乗っていたり、町中を走っているタクシーであるが、保険が掛かっていないことが多い。もちろん自賠責保険は掛けているが、任意保険はかけていないことが多いのである。
タクシーの台数分任意保険をかけるとそれが経営を圧迫するため、事故が発生した時に賠償金を自腹で支払う方がいいという考え方である。
しかし、被害者からすると、そのタクシー会社が倒産でもすれば賠償が得られなくなってしまうこととなるので、実は深刻な話である。京都でも最近タクシー会社の倒産があるが、人の命を預かったり、あるいは跳ねてしまって被害が発生したときに、保険がありませんではたまったものではない。
自分が自動車に乗っている人だと、自分の保険で無保険者特約があれば、相手から回収出来ない分を回収することができるが(たいてい普通につけられているはずだが)、そういう保険に加入していない人はまさに泣き寝入りである。自らの身を守るためには、自動車に乗らない人でも、何らかの保険には加入しておいた方がいいと思うのである。
弁護士が高次脳機能障害の被害者の賠償金を横領してしまったという報道にも接したが、これなどは賠償金が出ているのに弁護士によって横領されてしまったものであり、無保険者特約も使えないから、その弁護士に金がなければ救済のされようがない。
交通事故の被害者側ばかりやる私にとっては、信じられない話である。他人の預かり金はできるだけ早く送金してしまいたいというのが、普通の弁護士の感覚であろう。