読書日記8月26日

中隆志

中隆志

「江戸城大奥列伝」講談社文庫。海音寺潮五郎。
 江戸城の大奥での争いが表の政治にどれだけの影響を与え、その結果がどうであったかを描いた作品で、一つ一つの出来事に海音寺が評価を下しており、読み進めるたびにうならせられる。海音寺の史伝の真骨頂である。
 それとともに、徳川将軍の権力が強大になっていく課程も描かれている。

「司馬遼太郎短編全集5巻」文藝春秋。司馬遼太郎。
 司馬の短編全集で、たまたま読んでいない積み上げた本の束から引き抜いたので順番を飛ばして5巻を読んだ。
 この5巻では、宮本武蔵と戦った吉川一門がそのまま家門を保っていたという説も書かれている。宮本武蔵関連が2編収められている。
 収録作品の中では、渡辺勘兵衛という主に恵まれなかった侍大将を描いた「侍大将の胸毛」がもっともよかった。

「闇からの声」創元推理文庫。イーデン・フィルポッツ。
 赤毛のレドメイン家で有名な作者のもう一つの傑作。
 引退し、狩猟三昧をするために訪れたホテルで響く子どもの声。
 ホテルで変死した子どもは殺害されたのか。
 犯人を追い詰める引退した刑事の戦いが始まる。
 昔の名作を読むと、最近の推理小説を読む気がなくなるのである。

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