読書日記「百年の孤独」
証人尋問をしていると、証人又は本人が話をしているのに止める弁護士がいる。もちろん、反対尋問の場合である。主尋問の時に、本人又は証人がてんぱってしまい、聞かれていないことまで答えて何に答えているか分からないようになってしまっている時に止めることはまあ誰でもある。
基本的には話をしているのに止めるというのはルール違反であるし、尋問技術などの本を見てもよいとは書いていない。
特に、不利な話が出てくると止める弁護士がいる。
こんなのは、「そこ、私にとって不利だから、いわんといてえ」と明らかにしているようなものである。
そうすると、止めた尋問については、再主尋問でこちらが聞くことになる。
家で会話をしているのではないから、基本的には敵性証人でもじっと答えを最後まで聞いて、それから次の質問に移るのがルールだと思うのである。
確かに、「何いうとんねん、こやつ」と思うこともあるが、そのまま話をさせていると自分で自分の首を絞めるようなことを言い出すこともある。
尋問を止めるのは、裁判所としてもあまりいい印象は持たないようだし、実際に、「話を続けてもらってください」とたしなめられている代理人もいる。
不利な事が出てきても、平静な態度を取っている方が、訴訟戦略上も得策だと思うのであるがどうであろう。