読書日記「百年の孤独」
依頼者の人には弁護士がしている仕事の内容が正確に理解出来ないことも多く、我々弁護士仲間からはバカにされ、仕事はずさんで、書面もムチャクチャで、いい解決をしたことをほとんど聞いたことのないような弁護士にも依頼者がいる。ちなみに、こういう弁護士は裁判所の評判もものすごく悪い。
しかし、仕事ができる(事務遂行能力)のと、依頼者を獲得してくる能力(営業力)とは全く別ものなので、営業力だけはあるが、仕事がダメという弁護士は割合いる。
我々からすれば、「なんであんな弁護士に事件依頼がくるのか」ということがたまに話題に上るのである。
もちろん、両方が備わっている弁護士がもっともよいのであろう。
誰がやっても勝つ事件もあるが、こういう弁護士は誰がやっても勝つ事件で勝った時に、鬼の首を取ったように依頼者に結果を吹聴しているのではないかと思われる。
弁護士によって結果に差が出る事件で差が出ても、中々それを弁護士の力量によるものであると依頼者に説明するのも奥ゆかしい弁護士はできないであろう。
依頼者ウケするような行動はうまいのだが、中身が伴わないような訴訟活動をしている弁護士の姿を見ると、「恥ヲシル」ものが「士」であるという認識を持っている志のある弁護士からすると、なんだか違うよなあと思うのである。