読書日記「百年の孤独」
「蟹工船・党生活者」新潮文庫。小林多喜二。
いつか読もうと思っていたのだが、この度読了。私は全く左翼ではなくノンポリなのだが、何となく時代背景を考えると、ものすごい闘争の時代があったのだと思わせられる。
人の命を命とも思わずブルジョワだけが栄える仕組みを描く蟹工船。子どもたち(男)が大人の性欲(男)のえじきになり、金を稼ぐつもりで乗った船で実は乗っただけで借金を背負わされている。凍える海で蟹を潰す-。
今の世とかけ離れた世界とも思うが、きっと借金が払えず、過酷な働かされ方をしている人は今でもいるだろう。
小林多喜二は、党生活者の小説さながら、警察で拷問されて死んだ。山田風太郎の人間臨終図鑑を思い出した。
「サキ短編集」新潮文庫。サキ。
ピース又吉が選ぶ20冊の中の一冊。
ユーモアと風刺が効いた作品集であるが、中には意図がよく分からないものもあったし、試みが失敗に終わっているのではと思われる作品があった。
短編というのはそれほど難しいものであろう。
くすりと笑える作品と、ブラックユーモアが効きすぎた作品とが混在している。
出任せをいって混乱に落とし入れる若い女性がたくさん出てくる。
夏の読書にはちょうどいいかもしれない。