夏期休廷前

中隆志

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 弁護士の繁忙期というのがあるが、裁判所が夏期休廷に入る前のこの期間もその一つであり、裁判がまとめて入っていたりする。
 相手方代理人の手帳が見えてしまうことがあるが、予定がほとんど書いていなかったりすることもあり、どうやって事務所を経営しているのだろうかと思うことがある。
 おそらくは、顧問先がたくさんあるのだろう。
 先週は1日に予定が5件くらい詰まっていることがざらの週で、1日に予定が5件あると、書面が書けないのである。
 夏休み明けの8月末から9月頭にかけて、裁判所の夏休み期間中にやろうと思い、交通事故のカルテの基づく主張が2件、交通事故の最終準備書面が1件、遺言能力が問題になる事件でカルテを読まないといけない事件の準備書面が1件あり、訴状を4本(資料がまだ手元に来ないので書けていないということもあるが)書かないといけないという状態で、結果的に私に夏休みはあるだろうかという気分にさせられている。
 30代前半ならもっとチャッチャと起案も出来たのであるが、40代半ばになってくるとやや能力が落ちてくる。
 懇意にしている50代の女性弁護士は、最近「書けない」「書けない」を連発しているが、やはり年齢とともに起案速度も落ちてくるので、若い人の力を借りないといけないのである。
 もう1人でする事務所には戻れないので、事務所のメンバーに感謝、感謝である。

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中隆志(弁護士)

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