読書日記「百年の孤独」
成年後見人を引き受けると、被後見人の財産を管理することになる訳であるが、不動産の管理はやっかいである。
当初は時々空気を入れ換えにいったりしていたのであるが、行くことの出来る回数には限りがあるし、数件後見人を引き受けるとより困難となる。
自宅を売却してしまうということも考えられるが、本人が自署で、「自宅は売らないで欲しい」というような日記をつけていたりすると、自宅に思いがあるだろうし、それで十分入院代などがまかなえる場合には、売却してしまうというのもどうかということにはなる。
また、共有物件などでは売却も困難である。
そのため、不動産をそのまま置いておくことになるのだが、後見人の責務から誰か人が入ったり、換気しないと傷むため、ほどなく、ものの本を見て、不動産業者に管理を委託するようにした。後見人の収入の範囲で十分まかなえるようであれば、必要な支出と考えられるためである。
業者の方も月に一度から数回見に行って換気をするというだけで仕事になるので、引き受けてくれている。
相続財産管理人の場合には、不動産の売却は権限外の行為であるため、受遺者が出てきたり、相続人が出てくる可能性があるので、しばらくは売却出来ないので、同様に費用があるなら管理を委託することにしている。
これをやり出してから不動産の管理が楽になった。
もちろん、後見人が自宅に戻る可能性がゼロであるとか、意思能力が十分あった時の意思が確認出来ないような場合には、売却してしまう方が固定資産税等の負担もなく、管理行為としては正解なのであろう。
しかし、動産の処分等もあり、ご本人の物で大事なものもあるかもしれず、中々売却には踏み切れないのが現状であり、お亡くなりになられるまで後見人を務めて、後は相続人による処分に委ねるというのが通例である。