依頼者と一体化する弁護士

中隆志

中隆志

 依頼者と一体化して、ほぼ当事者のようになってしまう弁護士がたまにいる。
 私自身は、事案に対して冷静な判断力を失ってしまうので、これはよくない傾向だと思っているし、私のスタンスはあくまでプロとして依頼者とは別個に判断し、距離をおくようにしている。
 こうしたからといって、事件に対して一生懸命にやらないということにはならず、むしろ冷静であるからこそ、いい解決が目指せるというところがあると思っている。
 弁護士が関わる紛争は多数あり、その全てにおいて当事者と一体化しなくとも、一部でも一体化すれば身体が保たないのではないか。
 依頼者が抱える紛争は通常は1件であったりするが、それでも事件のことばかり考えて、つらい思いをされていることがほとんどだからである。
 中には依頼者よりも代理人の弁護士が怒っている場合もある。正義感の強い曲がったことの嫌いな弁護士でそういう風になってしまっている人がいる。
 誰の事件かということもあるし、紛争の解決は証拠の優劣で常に正しい方が勝つとも限らないし、正しいかどうかを最終的に決めるのは誰かというような問題もあり、中々難しいところがある。
 事件に対して一生懸命になることと、一体化することはまた別だと思うのである。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

中隆志
専門家

中隆志(弁護士)

中隆志法律事務所

 マイベストプロを見られた新規相談の方は初回に限り30分5500円(消費税込)の相談料を無料にしています。依頼者に対して、連絡・報告・相談を密にすることがモットーです。お気軽にお問い合わせ下さい。

中隆志プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

プロのおすすめするコラム

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

被害者救済に取り組む法律のプロ

中隆志プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼