在りし日の小次郎
安い居酒屋に行くとウインナーの串揚げがあるが、絶対に頼んでしまう。
先日もウインナーの串揚げがあったので、一人で3本食べてしまった。
小学生の頃、遊びに行っていた友達の家の近くに肉屋さんがあり、そこで揚げ物を売っていたのであるが、ウインナーの串揚げが美味しく、子ども心にたらふく食べたかったのであるが、小学生の小遣いでは毎回1本買うのが精一杯で、その頃のウインナーの串揚げを食べられなかった思いが40年近く経過した今も心に残っているのである。近所の金持ちの子は、いつも串カツを数本買っていて、それを見て、いつか自分も数本串カツを買えるようになりたいと思ったものである。
小さい頃、食べたかったものを大人になってからも食べたいと思い、大量に食べるという現象はいくつもあり、板東英二が子どもの頃は卵は貴重で、たらふく食べたかったがたべられなかったので、新幹線でゆで卵を4つも5つも食べるという話を聞いたことがあるが、それと私のウインナーの串揚げも同じようなものであろう。
その頃の気持ちでは、お金があればウインナーを10本、15本と食べてやると思っていたが、さすがに今は3本食べると飽きてしまい、いくら食べたいものでも、そんなにたくさんは食べられないことに気づかされるのである。