在りし日の小次郎
個人タクシーを何気なく停めて乗車したところ、ものすごいご高齢の運転手さんだった。
個人タクシーは自営業であるから、定年がないのであろう。調べた訳ではないが。
自動車自体がポロボロで、エンジンも今にも停止するのではないか、という異音を立てている。
運転中も、身体を震わせて、口を常に動かしている。
また、運転も、あまりにも小刻みにハンドルを操作するので、左右にぶれて走る。手が震えているのではなかろうか。
右折の際には、対向車が迫っているのに少しずつクリープ現象で対向車線にはみ出していき、終いには対向車線2車線のうち、追い越し車線を一つふさいでしまった。
対向車が衝突してくるのではないかと、ひやひやさせられた。
降車した時には、ほっとした。運転中にこの運転手さんが亡くなったりしたら、私もものすごい事故に巻き込まれることになるとまで考えるくらい、よぼよぼであった
ご高齢で仕事を続けなければならない事情はあるのだろうと推察するが、人の命を危険にさらすことのある仕事なのであるから、ある程度の時期には引退してもらいたい、と思う。
高齢になると、スピードに対する感覚は昔のままな一方、身体がついていかないという実験結果も出ているので(横断中にご老人がはねられる事故がままあるのも、昔の感覚で、『渡ることが出来る』と思ってしまい横断を開始するが、身体は昔のような動かないので、中々進まず、そのうちに自動車が来てしまってはねられてしまうのである。)、その意味からしても、運転手という職業には一定の制約が欲しいところである。