弁護士の体調管理

中隆志

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 司法修習生の時に事務所訪問をさせてもらった大先生から、「弁護士になって酒ばかり飲んでいたら、歩くことさえまならないようになったことがある。中君、運動はせなあかんし、体調管理は十分にしないとこの仕事はあかんぞ。」と言っていただいたことがあった。
 その後、若い頃はある意味若さゆえかなりの無理もしたが、さすがに35歳頃に喘息の発作が出て事務所に来ることも出来なくなった時から、無理をしないようになった。
 個人的には一人で事務所をずっとするつもりであったが、一人で出来る仕事の量も若い頃のようには行かなくなってきたので、勤務弁護士に入ってもらうことにした。
 運動はサッカーをする程度ではあるが、しないよりはましであろう。最近は適度に酒も飲み、多少は余暇も楽しむようにしている(釣りと読書、ゲームくらいではあるが)。

 弁護士で体調を壊したり、精神的に不安定になってしまうことはままあることである。紛争のまっただ中に入っていく仕事であるし、時には身の危険も感じる職業であるので、ストレスは相当に溜まるはずである。
 私自身は仕事のストレスというよりは、単に多忙で体調不良になったと思っている。生来のんきなところがあるので、それがこの仕事をしていく上では幸いしているとも思っている。

 ストレス発散は人によって様々であろうが、個人的には、「それをしていると他のことは何も考えない」という瞬間がある程度ないと、人はストレスが溜まる一方になるのだと思っている。全てを忘れる一瞬がある程度あれば、ストレス発散が出来るというのが私の考えである。
 後は適度に運動をすることで、病気等はある程度防げると思うのである。

 よく何も考えずぼーっとした方がいいとも言われるが、人間は大自然の中でぼけっとしていると、「何か」をしたくなり、いつまでも何もしないというのもそれはそれでストレスが溜まるそうであるから、仕事とは違う「何か」をして、我を忘れてストレス発散することが必要なのであろう。

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