在りし日の小次郎
私は現在京都弁護士会の法律相談センター運営委員会の委員長をしている。この委員会は、弁護士会の基幹である法律相談を行うセンターを運営していく委員会であるので、非常に重要な委員会であり、だいたい委員会の報告書などでもかなり前の方にくる。
他の弁護士会でも同様である。
札幌弁護士会が法律相談料を無料にするというので、どうしたらそんなことが出来るのか、理論的問題はどうか等を含めて、ヒアリングに行くべきだと考えて、昨年秋にヒアリングに行ってきたのである。
ヒアリングに行って、心の底から行ってよかったと思っている。
一つには、他の弁護士会の工夫や制度を知ることが出来、京都で行う場合の参考となる。
もう一つは、そうした工夫や制度を推し進める他の弁護士会の先生方の熱い思いに触れることで、こちらもやる気にさせられる。
札幌の法律相談センターと京都のセンターを比較すると、正直、札幌の方が進んでいるところもあり、情けない思いをするところもあれば、むしろ京都の方が進んでいるところもあったのだが、やはりそうして少しでも市民の方にアクセス障害を取り除こうとしておられるその姿勢に触れることは本当に力になる。
京都弁護士会のある程度の役職をしているが、京都は他の会との懇親が少なすぎるのではなかったかと反省している(私は役員ではないので、個人として反省してもどうしようもないのだが)。
世界の弁護士が集まると、人権救済とか、被害救済とかの話をしているのは日本の弁護士だけで、他の国の弁護士はお金の話ばかりしているとある先輩弁護士が言っていたが、札幌の先生方に会い、自分たちには一円の得にもならないことに時間と労力をかけておられる姿を見て、自分もさらに頑張らなければと思ったのである。
また、札幌では、職を辞して弁護士になりたいと思われてロースクールに行き、今修習をしている修習生にも出会い、彼の志にも感銘を受けた(詳細はご本人の承諾がないので書けないが)。
第二の故郷札幌は健在であった。
会務活動過多気味であるが、弁護士法一条というのはそれほどに重いものなのである。
頑張って行こう。