困る依頼者

中隆志

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 最近は弁護士の不祥事も多く、ちまたでは弁護士の不正を追うブログも出てきている。
 弁護士は人のお金を預かり、人の一生を左右しかねない仕事であるから、そうしたブログがあり、そこに書かれる弁護士がいるということは同じ弁護士として情けない話ではある。

 弁護士の側からいうと、依頼をされる方でも困る人がいて、一番困るのは連絡が全くつかない依頼者である。
 こちらは依頼者の意思確認を重視して仕事をしているのと、状況を確認したいのに、電話には出ないし折り返しもない。仕方がないので手紙を送っても返事もないという場合がある。
 弁護士と依頼者とは信頼関係を前提として事件を進めていくので、こうした依頼者の場合は、仕方なく辞任するということとなってしまう。もちろん、何度も何度もこちらからは連絡を取る努力をした上であり、ご高齢の方や病気の方の場合は万が一のことがあるので、自宅まで様子を見に行ったこともある。
 自宅まで行ったところ、自宅で普通におられて、その場でこちらとしてはこんなことでは困るということできちんと連絡を取ってもらうよう念押しをしたこともある。

 他には、連絡はつくのだが、いつまで経ってもこちらが指示した資料を用意してくれない場合がある。事件は依頼者のものなので、資料は依頼者が持っていることがほとんどである。役所などでこちらで取り寄せられるものについては取り寄せをするが、本人しか所持していない資料は本人が用意してくれないことにはどうしようもないのである。
 整理が出来なくてということを時々理由にされる場合もあるが、「整理出来てなくてよいです。整理は私がするので、がさっと資料の束で持ってきてください」ということを述べても、持参しない人は中々持参してくれない。

 他にもいろいろと困る依頼者の方はおられるが、典型的な例は以上の二つである。

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中隆志(弁護士)

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